腕時計は、時間を見る以外に信頼性や話題性など、特にビジネスシーンに重宝します。とはいえデザインは豊富で、シチュエーションにそぐわない時計もあります。それは、面接のような改まった席でドクロやカジノを連想する腕時計は相応しくありませんよね。極端な例ではありましたが、腕時計を理解し上手に使う事で、時計の持つ能力を発揮する事ができます。
腕時計がビジネスシーンで必要な理由?
近年では、腕時計を着用しない方も増えていますが、ではどういった際に必要になるかについて考えてみました。
ビジネスマナー
時間を確認できるスマートフォンのようなデジタルツールの普及に伴い、腕時計を着用しない方も増えいます。しかし、ビジネスの上でそういった行為を失礼と捉えられてしまう可能性があるため注意が必要です。
それから、日本人は時間に厳しい国です。ゆえに、腕時計をしている方は「時間を守る人」といった印象を与える見込みもあります。お取引する相手と交流するわずかな時間で、好印象を残すためにも腕時計の着用をお勧めします。
話題性
男性にとっての腕時計は、ファッション性だけでなく、ステータスの証とも言われます。それを理解している目上の方は、「より良いモノを選びたい」という考えから、時計の歴史なども詳しいです。そういった方と交流する機会に、袖から見える腕時計をきっかけでコミュニケーションが円滑に進む見込みもあります。
腕時計をデザインに注意
先ほど冒頭でお伝えしたように、シチュエーションによってそぐわない腕時計がある点です。とはいえ、一から時計の知識を身につけるのはという方は、まず初めにクラシックなものを選んだ方がさまざまシーンで活用できます。
腕時計の各形状の名称について
ここからは、もう一歩進んで腕時計の各部デザイン・形状を解説していきます。
【ケースのデザイン・形状】
腕時計のケースとは時計の輪郭で、形状によって大きくデザインは異なります。シーンを選ぶような独創的なデザインでも、小ぶりのケースを選ぶ事で万能なります。
ラウンド |
ラウンドとは、丸型でもっともオーソドックスな形状です。その左右対称の安定した形状は、さまざまなシーンで使用できるオールラウンダーと言えます。具体的に、ロレックス・オメガ・セイコーなど多くのブランドに採用している万能なラウンドは、腕時計を1本持つのであればおすすめです。
掲載モデル:ロレックス(チェリーニ) |
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スクエア |
スクエアとは正方形です。直線的なスクエア形状は、タグホイヤー(モナコ)・ジラールペルゴ(ヴィンテージ1945)・ベル&ロス(BR03)に採用され、ビジネスシーンを選ぶデザイン性ですが、アーバンやモダンな印象です。
モデル:カルティエ(サントス) |
レクタンギュラー |
レクタンギュラーとは長方形です。直線的でスタイリッシュな印象も残しつつ、伝統的な形状という事もあり安定感があります。レクタンギュラーの形状は、カルティエ(タンク)・ジャガールクルト(レベルソ)に採用され、シックな印象があるのでビジネスや冠婚葬祭などに向いています。
掲載モデル:ラドー |
トノー |
トノーとは樽のような形です。トノー型はフランクミュラー・リシャールミルといったハイブランドに採用され、華やかで遊び心があるのでパーティーなど華やかなシーンなどに向いています。
掲載モデル:フランクミューラー(カーベックス) |
クッション |
クッションとは座布団のような形です。こちらの形状はパネライ・タグホイヤー(モンツァ)に採用され、立体的なシルエットがアーバンやモダンな印象です。ラウンドに比べると、若干ケースが大きくなるもののさまざまなシーンで使用できます。
掲載モデル:パネライ(ルミノール) |
オーバル |
オーバルとは楕円です。ブルガリ(オーバル)・カルティエ(ベニュワール)など女性向けのモデルに多く採用。フォルムが柔らかく優雅なオーバルケースは、ダイヤなどの装飾されるなどエレガントな印象で、パーティーなど華やかなシーンなどに向いています。
掲載モデル:ダニエルロート |
オクタゴン |
オクタゴンとは八角形です。クッション型とスクエア型を併せ持った、立体感のあるユニークなシルエットです。オーデマピゲ(ロイヤルオーク)・ブルガリ(オクト)などハイブランドに採用されている事もあり、ビジネスシーンを選びます。
掲載モデル:セイコー |
【インデックスのデザイン・形状】
このインデックスによっても時計の印象が変わるので、種類や特徴をまとめてみました。
バー |
バーインデックスとは、長方形の棒状でグランドセイコー・IWC(ポートフィノ)に採用されているなど、シンプルなバーインデックスは文字盤をすっきりする印象です。
掲載モデル:ゼニス(クロノマスター) |
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ドット |
ドットインデックスとは、丸型の点状でロレックス(サブマリーナ)・オメガ(シーマスタープロフェッショナル)に採用されているいます。ダイバーシリーズに多く、視認性に優れ、シンプルなバーインデックスと同様にすっきりとしますが、角がないので柔らかい印象です。
掲載モデル:ロレックス(サブマリーナ) |
アラビアン |
アラビアンインデックスとは、アラビア数字のインデックスで、ローマンと比べるとカジュアルとされています。IWC(マークシリーズ)のようにバーインデックスとの組み合わせによってすっきりとする印象です。
掲載モデル:ブライトリング(ナビタイマー) |
ローマン |
ローマンインデックスとは、古代ローマ時代に作られた数字のインデックスで、ブレゲ(マリーン)・カルティエ(タンク フランセーズ)に採用され、アラビアンと比べると上品です。
掲載モデル:ブレゲ |
トライアングル |
トライアングルインデックスとは、三角形でオメガ(アクアテラ)に採用され、バーインデックスと同様にすっきりする印象です。また、パイロットウォッチなどの矢印の機能を目的として採用している場合もあります。
掲載モデル:アランシルベスタイン(レヴェイユ) |
宝石 |
宝石インデックスとは、ダイヤなどの宝石を配置している形状で、ロレックス(デイトジャスト)の一部に採用されています。特にハイブランドのラグジュアリーラインなどに多く見られる宝石インデックスは、上品な印象を与えます。
掲載モデル:ロレックス(デイトジャスト) |
【文字盤の加工・装飾】
腕時計の文字盤とは、時計文字盤装飾の種類や特徴は以下の通りです。
プレーン |
プレーンとは、平らな文字盤の上に塗装を施しています。もっとも一般的な仕上げでありながら、塗装を何層も重ねるラッカー仕上げやエナメル仕上げとは逆に、光沢感を消すマット仕上げなど表現方法は数多く存在します。
掲載モデル:ノモス(タンジェント) |
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サテン |
サテンとは、文字盤上にごく浅いラインを施すことによって、反射を抑える仕上げです。絹織物に見えることからサテン仕上げと呼びます。
掲載モデル:ブランパン(ヴィルレ) |
ギョーシェ彫り |
ギョーシェ彫りとは、波模様・市松模様などをモチーフに規則的に尖った鋲を彫る技術で、表面に立体的な表情が生れます。ギョーシェ彫りに彫り込まれた文字盤は、上品な印象を与えます。
掲載モデル:グランドセイコー |
エンボス加工 |
エンボス加工とは、線や格子などのテクスチャー模様をプレス加工によって文字盤表面に押し当てる加工です。エンボス加工した文字盤には立体的な表情が生れます。
掲載モデル:オーデマ・ピゲ(ロイヤルオーク) |
【ベルトの素材】
時計ベルトの種類や特徴については以前に書いた記事の『時計のベルトにはどのような種類がある?』も一緒にご活用ください。
まとめ
この度は、腕時計の着用シチュエーションによってデザイン使い分ける必要性、また腕時計の形状・デザインについて書いてみました。今回紹介した腕時計の形状やデザインは、あくまで代表的なものだけ抜粋しています。それだけ時計ブランド・種類も豊富で、時計の説明に特化した資格(ウォッチコーディネータ―)もあるくらいです。
腕時計の知識がない方は、着用シチュエーションを誤らないためにも、販売店のスタッフによく相談した上で選ぶのが賢明です。その他ウォッチドクターのTwitterでは、『Masterpiece watch|名作時計』も日々更新していますのでこちらもご活用ください。(Pinterestでも公開中なのでリンクを貼っておきます。)