腕時計は非常に細かいパーツで構成しているため、修理を依頼する際に特に専門性が高い理由もあり、その結果時計修理業者・時計メーカー・時計販売店に持ち込み修理を依頼している方が大半かと思います。その際、店頭に持ち込んだ先にいる修理士の手によって修理していることが多いかと。
しかし、そもそも「時計修理に資格は必要?」「時計修理士ってどんな資格なの?」など不明点も多いと思い、本記事の作成に至りました。
資格がなくても腕時計は直せる。
結論からお伝えすると、修理の資格がなくても腕時計を直すことは可能です。なぜなら腕時計に関する電池交換・ベルトの交換やサイズ調整などといった軽修理を自分で行う方も多いと思います。さらに電池交換を実施している時計販売店・ホームセンター・家電量販店のショップスタッフなど修理資格を持っていない方も多くいらっしゃいます。
資格がなくても、ショップスタッフは時計修理できる?
では、なぜ資格がなくても時計修理ができるかという点ですが、ショップスタッフは修理資格がなくとも、お店のでしっかりと講習を受けており、時計に関する専門知識が豊富なため、時計や症状を把握し、お店で修理する事ができるかどうかを判断することが可能です。あるいは同様にその場で対応できない区別もできます。つまり資格がなく腕時計を直すことをお考えの方は、専門知識を身につけ、時計や症状を見極めることで腕時計を直すことが可能です。
時計修理の資格はどういった時に必要
一方では時計修理の中で内部部品交換やオーバーホールといった、専門的かつ高度な知識と技術を必要とする修理やメンテナンスがあります。そういった適切な処置を怠ると、改善させるために高額な出費や修復が不能になるケースも。つまりそこで適切な処置するための資格を持った時計修理士が必要です。
時計修理士ってどんな人?
時計修理士は、国・社団法人・メーカーから認められた時計修理に関するエキスパートです。一口に時計修理士といっても資格には種類や等級があり、国が認める国家資格から世界最高峰の技術が要求される資格もあり、種類はさまざまです。
時計修理の資格を取るにはどうしたら良いの?
まず具体的に時計修理士の資格には、時計内部を分解と組み立てといったイメージが連想されるかと思いますが、仕上げ・部品の作成など要求される資格なども存在し、時計修理士はさらなる高みを目指し、腕を磨いています。
資格を取得するには、時計学校に通う、もしくは時計の修理技術がある会社で働くのが一般的です。別ルートにはなりますが、弊社でも専門講師が時計の座学や技術を指導(有料サービス)などもいたしております。ご興味がある方はこちらからお問い合わせください。
時計修理資格について
【時計修理資格の種類】
時計修理に関する資格は一般的に以下の通りです。
時計修理技能士 |
日本における時計修理資格の中でもっともポピュラーな資格で、日本で時計師を志す場合は、最初に国家資格である時計修理技能士1級を目指します。等級が3段階に階級があり、1級を受講するため実務経験7年、もしくは3級を取得から4年の実務経験、または2級を取得から2年の実務経験のいずれかが必要。 難易度:✫~✫✫✫ |
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WOSTEP |
国際的に時計に関する知識と技術が通用する証であるWOSTEPは、最終試験に挑むために、3000時間の基礎トレーニング、並びに3年間に5回行われる試験に合格することが条件。時計の本場であるスイスを基準とした修理から部品作成まで高い次元の技術が求められる。 難易度:✫✫✫✫✫ |
CMW |
1954年から始まった歴史のある時計修理称号の一つで、発祥であるアメリカのCMW試験を日本に導入し、手を加えた資格です。受講資格・試験が難関でとても長い歴史がある資格にしては、現時点で800人程度しか保有していません。等級は2段階に階級があり、CMWとCW(公認時計師)が存在。 難易度:✫✫✫✫~✫✫✫✫✫ |
信州匠の時計修理士 |
日本が機械式時計の技術向上を図り、長野県にある時計宝飾眼鏡商業協同組合がセイコー・シチズンの協力を基に設けられた資格です。等級が4段階に階級があり、特級を取得するためには、すべて時計を修復できるといった高い技術が求められ、2018年時点での特級保有者は19名ほどしかいません。 難易度:✫✫✫~✫✫✫✫✫ |
いわて機械時計士 |
いわて機械時計士は、グランドセイコーなどを手掛けている岩手県にある盛岡セイコー工業が独自で設けた技術評価を岩手県知事に申請し始まりました。等級は3段階に階級があり、中でもIWマイスターは、時計の修復を前提とし、独自で設けた高い水準での復元・調整できる技術が求められます。 難易度:✫✫✫~✫✫✫✫✫ |
【時計に関する資格】
時計修理に関する資格は一般的に以下の通りです。
ウォッチコーディネーター |
ウォッチコーディネーター通称CWCは、高級な時計を取り扱う上で、時計の専門的な知識と適切な接客を行うべく、日本時計輸入協会が2011年にウオッチコーティネーター検定をスタートしました。等級は、ウォッチコーディネーター・上級ウォッチコーディネーターと2段階あります。時計販売の専門スキル以外にも、時計の歴史・構造・接客といった幅広い知識が要求されます。 難易度:✫✫~✫✫✫✫ |
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まとめ