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腕時計の電池交換を依頼すると高い?|費用の理由について

2021.11.05
電池交換

時計の電池交換は高いと思った事はないでしょうか?

 

そこで年間件数72000本腕時計を修理する弊社が、作業工程を交えながら「電池交換」について解説致します。

 

 

 

メーカーや時計修理会社に腕時計の電池交換を依頼すると高いと思う理由とは?

高いと思われる場合、何かを基準にしているはずです。

 

 高いと思われる基準 
  •  腕時計の電池交換は自分でもできる。
  •  電池自体の単価や作業を基準にすると高い。
  •  ホームセンター、家電量販店などを基準にすると高い。

 

クオーツ式の時計をお持ちのお客様の中にも、自分で電池交換作業をした経験がある方もおられるかと思いますが、中には注意が必要な腕時計もございます。

 

また、ホームセンターや家電量販店などその場ですぐに対応できない時計もございます。

 

大切な腕時計を破損してしまう前にご参考にして下さい。

 

 

 

電池式腕時計(クオーツ式)について

電池式腕時計(クオーツ式)は電池を動力源として動く時計を指します。1958年に誕生し、1969年に腕時計を発売開始しました。

 

販売当初はとても高級品でしたが大量生産が進み、今ではとても安く手に入るようになりました。

 

「クオーツショック」という言葉って聞いた事ありますか?

 

 

 

クオーツショックとは?

クオーツ時計が生まれる前は機械式時計が主流でしたが、クオーツ時計は機械式時計に比べ、高精度(時間が正確)で量産できます。

 

その為、コスト、人件費などの影響もあり1970年~1980年にかけてスイス時計メーカーが大打撃を受け、倒産、休業するメーカーが後を絶ちませんでした。

 

その後、機械式時計は芸術的な嗜好品として見直され、売り上げは年々増加し、復活を遂げました。

 

 

 

電池式腕時計はどうやって動いている?

電池式腕時計は、クオーツ(人工水晶)を利用して時を刻んでいます。

 

U字型に加工された水晶(水晶振動子)に電圧をかけると水晶は1秒間に約32000回振動します(32768Hz)。その32000回の振動は、電子回路により1秒に1回の電気信号に変換され、時計を構成する歯車を動かしています。

 

 

機械式(ゼンマイ式)腕時計では、振り子の等時性を利用したテンプで時を刻んでいますが、現在の多くのテンプは8振動(4Hz)ですので、電池式腕時計では機械式に比べて高い精度が期待できます。

 

また、電池式腕時計では、一般的に2~3年の電池寿命がありますが、機械式の駆動時間はゼンマイの全巻き状態からでもおよそ40~50時間ですから、電池式は長時間安定した精度を保つ事ができると言えるでしょう。

 

 

時計の精度、駆動時間、製造コストなど、電池式には優れた点が多くあります。

 

また、電波時計や、ゼンマイ式とのハイブリッドであるセイコーのスプリングドライブでも、クオーツ式の駆動方式や制御方式が利用されています。

 

 

 

電池切れのサイン?

腕時計をお持ち方の多くは電池で駆動している時計を使っていると思います。

 

電池が切れてしまうと時計は止まり、遅れなどが起こる、または2~4秒おきに秒針が動くといった電池切れのサインが出ます。

 

電池切れを放置すると知らないうちに過放電状態になり、電池の内部にある電解液が漏れ(電池液漏れ)、致命的な故障につながります。

 

電池切れのサインが出たらお早めに電池交換する事をお勧めします。

 

電池液漏れとは=電池に含まれる電解液が漏れ出てくる現象です。電池液漏れは電池切れたまま放置、もしくは衝撃や高温、多湿のような場合にも起こります。その為、過放電や使用場所にお気をつけ下さい。

 

 

 

 

自分で電池交換とお店で電池交換する時の費用について

 

 自分で電池交換する場合 

【最低必要な工具】

  • ボタン電池:¥110~¥330
  • ケースオープナー:¥110~¥7,700
  • ピンセット:¥110~¥5,500

 

【時計によって必要またはあると便利な物】
  • 保持器(時計を固定する工具)
  • ドライバー
  • バンドピン抜き
  • 綿棒

 

【詳細】

今ではWEBサイト、時計屋さん、ホームセンター、家電量販店(ヨドバシカメラ、ヤマダ電機)などで腕時計の工具は購入できます。

また、100均(ダイソー、Seria)などでも代用できる商品も購入できます。

他の記事で「100均やホームセンターで揃う⁉|お手軽時計メンテナンス用品(電池交換、外装クリーニング)の紹介」を書いていますので気になる方はこちらもチェックして下さい。

 

 

 弊社で電池交換する場合 

【ウォッチドクター電池交換費用】

・国産ブランド:¥1,650~

・舶来ブランド:¥2,200~

※モデルや構造によるので概算見積りシミュレーターでご確認下さい。

 

【その他電池交換関係の修理】

・パッキン交換:電池交換費用+¥550~

・電池交換・洗浄セット希望:電池交換費用+¥2,200~

 

【詳細】

電池交換以外にも腕時計の正確な修理見積り、修理のご希望の際はオーダーフォームより無料配送キットにて見積りお受付可能です。

またご依頼の流れ、腕時計について不明な点があればLINEでもご対応できますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

 

 

 

メーカー、時計修理専門店でないと電池交換対応できない腕時計とは?

 

衝撃、水没、部品劣化や消耗など時計が壊れる要因は様々です。

 

以下のモデルは適切な電池交換しないと致命的な損傷につながるケースが多く、損傷した場合でも現行モデルであれば部品交換が必要となり、修理代も高くなります。

 

しかし、販売から年数が経っているモデルは修復できない可能性がございます。

 

致命的な損傷につながる前に特殊モデルの電池交換は時計メーカーや時計修理専門店での作業となります。

 

また、時計購入したお店、ホームセンターや家電量販店でもお受付は可能だと思うのでご相談下さい。

※3種類の機構以外にも、注意が必要な腕時計は多数ございますが、その一部を紹介致します。

 

 

 

光充電式腕時計(ソーラー、ソーラー電波モデル)

ソーラー式腕時計は文字盤に光を当て、充電して使う腕時計です。

 

文字盤にソーラーセルを備え、受けた光を電気エネルギーに変えて、時計内部にある二次電池(充電池)に蓄えられます。

 

充電式の時計なら電池交換は不要では?というと答えはいいえです。

 

ソーラー以外にも充電池を使っている時計(AGS、キネティック、スプリングドライブ、スマートウォッチ)全てに言える事ですが、充電池にも寿命があり、個体差やメーカー差、使用状況によっても異なりますが約7年から10年と言われております。

 

 

今、電化製品や携帯電話などなど便利になり、充電式の商品が多いですが同じ原理で二次電池が劣化すると充電効率が悪くなり、交換が必要です。

 

また、電池交換する際も電化製品や携帯電話などと一緒で、内部構造が複雑になり、自分で電池交換する事はお勧めできないモデルです。

 

 

 

防水腕時計(ダイバーモデル)

電池交換など裏蓋開閉する際、防水性能が落ちる可能性がございます。

 

防水性能は腕時計によって異なり、ほとんどのモデルが文字盤や裏蓋に表記しており、日常生活からダイビングに使用する高度な防水スペックの腕時計も存在します。

 

 

・防水表記について

一般的に3BAR、5BARが生活防水時計、10BARが生活強化防水時計、20BAR以上が防水時計(ダイバー時計)と言われております。

※時計によって3BAR、3ATM、30Mなど表記が異なります。

 

・各種耐水性について

生活防水時計は、手洗いの際に跳ねる水や雨程度耐えられる防水性。

生活強化防水時計は、日常的な洗い物や掃除中などの水仕事などに耐えられる防水性。防水時計(ダイバー時計)は、時計を着けたまま泳ぐ事には耐えられる防水性。

 

・注意点

※3BAR=生活防水時計は時計を水平にし、固定の状態で水位30Mに耐えられますが時計を動かすと圧が加わる為時計を着けて30M潜水しても耐えられるという意味ではございません。

※海水、汗は塩分が含まれている為、触れた場合は綺麗に洗い、よく乾かしてご使用下さい。サビの原因になります。

※お風呂、シャワーなどでの高温多湿での使用はご遠慮下さい。

結露や故障の原因になります。

※蛇口から直接出る水はとても水圧が高い為避けて下さい。

 

日常生活防水の腕時計に関しては、自分で電池交換する際、元々防水性能はさほど高くないので、防水性能を理解していれば特に問題は無いと思います。

 

生活強化防水、防水(ダイバーモデル)腕時計に関しては、元々防水性能が高く、性能を維持する為には専門的な検査機が必要です。

 

自分で電池交換する事はお勧めできないモデルです。

 

 

裏蓋スクリュー開閉式モデル

気密性の高いねじ込み式の裏蓋で主に防水時計やダイバーウォッチ、スポーツウォッチに採用される方式です。

 

防水性能が損なわれる可能性があり、性能を維持する為には専門的な検査機が必要です。

 

防水性能が低い日常生活防水の腕時計であれば電池交換する際に、工具を用意すればメーカーや専門工房で無くても開閉可能ですが、ブランドやモデルによって多種多様の形状があり、堅守に固定されている事がある為、裏蓋にキズを付けずに作業するのは熟練の技師であっても気を遣う作業です。

 

自分で電池交換する事はお勧めできないモデルです。

 

 

 

弊社で行っている電池交換作業工程について

 

 

1.裏蓋開閉

​まず専用工具で裏蓋を開けていきます。時計に傷が付かないよう慎重に開けていきます。

 

裏蓋を開けるとパッキンが入っていて劣化している場合は防水性が落ちてしまう為交換が必要になります。新しいパッキンにはシリコングリースを塗り、気密性を高めます。

 

パッキンはサイズや形が合わない場合防水の低下につながってしまう為職人がしっかり見極めてパッキン交換を致します。

導線を管状に巻いた電子部品です。

 

パッキンとは=ゴムやプラスチック素材の部品です。使用用途としては精密機器の防水性を高める為に使用します。実際、精密機器は堅実に作られていますが、どうしても金属と金属に隙間が生まれます。そこから水の侵入を防ぐ為に使用します。必ずでは無いですが、現行モデルの腕時計の場合、リューズ、ボタン、裏蓋、ガラス部分に備わっている事が多いです。また、パッキンは劣化していくとパッキンの性能が落ちるので一定の年数が経った時に交換が必要です。

2.数値測定

時計に入っていた電池電圧を計測、それから時計の消費電力を測定します。

 

例えば時計が遅れ・止まりなどの場合現在の電池電圧を測り電池が残っている状態であれば内部の不具合が考えられる為測定致します。

 

 

同じく消費電力に関しても異常に消費電力値が高い場合内部の不具合が考えられる為測定致します。

 

3.電池交換

時計内部部品にコイルがあり、コイルはとても切れやすいので絶対触れないようにし、電池を交換していきます。

 

電池はレバーで引っかかっていてすぐ外れないようになったいますが慌てずゆっくり電池を抜いていきます。

 

自分で電池交換する際は、電池に関しては同じメーカーの電池でなくても問題ありませんが同じサイズ、厚さの電池を使用して下さい。

 

基本的に電池の裏に記載している英数字と同じ物を使って下さい。

 

コイルとは=導線を管状に巻いた電子部品です。

4.裏蓋閉め

開けるときと同様に専用工具で裏蓋を閉めていきます。時計に傷が付かないよう慎重に開けていきます。

 

時計を閉めるときは裏蓋が緩すぎても、きつ過ぎても破損の原因になるのでご注意下さい。

5.防水検査

時計を閉めるときは裏蓋が緩すぎても、きつ過ぎても破損の原因になるのでご注意下さい。

 

 

最終的な、防水テストする専用のチェッカーです。

 

実際に空気圧をかけて、耐圧テストします。今回は、何の問題もなく防水が効いていることが証明されました。

 

 

以上が大きく分けた電池交換の5つの工程です。

 

 

まとめ

結果として自分で電池交換した場合¥330から可能なのでコストを抑える事は可能です。

 

しかし、特殊モデルの場合、専用な工具や設備が必要で、時計修理専門工具を購入しようとするとコストが上がります。

 

複数腕時計をお持ちの方は工具を購入して電池交換する場合、1本当たりの費用のコストは削減できると思いますが、1969年に電池式腕時計が発売を開始し、各ブランドが革新的なデザイン、機能を持った腕時計を生み出し続けています。

 

自分が電池交換しようと思っている見た目はシンプルな時計でも、実は多機能時計で中身は複雑という事も。

 

 

私も時計修理に携わって15年以上経ちますが、修理する際に無理しないことがとても大切です。

 

もし自分で電池交換する際は、こちらの記事や少しでもお役に立てれば幸いです。

 

他にクオーツ式時計のよくある質問のページのご用意もあるのでご活用下さい。

 

 

大切な腕時計を壊してしまって、結果高い修理になる事や修復できない事がございます。

 

破損する前にお近くの時計修理専門店などにご相談下さい。

 

 

 

電池式腕時計(クオーツ式)主要部品

【時計用電池】


放電だけで,充電できない化学反応を利用した電源部品です。時計の中には充電式の電池が使用しているモデルもあります。

【回路パーツ】


モーター部(ステップモーター)を動かす信号の発信、分周、駆動を制御している部品です。

 

【時計巻き芯】


時刻やカレンダーなどの設定を変更できる部品です。機械式の時計はゼンマイを巻き上げる際にリューズはよく触れる部分ですが強く引っ張ると折れる原因になります。

【コイル】


導線を管状に巻いた電子部品です。

 

 

【おしどり】

 

 

【日送り車】

 

時間が経過した際に日車を回転させる車です。早送り機能があるモデルは、早送り禁止時間帯に注意が必要です。

 

【ローター】


永久磁石と回転力を伝える“かな”をもつ部品です。

電池式の場合は振動によって信号を作りステップモーターに伝え、正確に時計を動かします。

 

 

 

 

【小鉄車】 


二番車,筒車などを動かして時刻を合わせるときに,巻真からの回転力を伝える車です。

リューズを0段引きで回してもこの歯車 には、かみ合いませんが2段引いた時にこの歯車にかみ合い時間が修正できるようになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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