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クロノグラフとは?クロノグラフ腕時計の種類や使い方を詳しく解説

2023.04.21
お手入れ・取扱
クロノグラフとは?クロノグラフ腕時計の種類や使い方を詳しく解説

クロノグラフは、機械式時計の中でも特に人気のある機構です。見た目の格好よさや名前自体は認識しているものの、クロノグラフの機能や構造を知らない方は多いでしょう。クロノグラフは内部が精密に作られているため、使い方にも注意する必要があります。

当記事では、クロノグラフの基礎知識に始まり、使い方や種類にいたるまで詳しく解説します。クロノグラフを長く使い続けるために注意したいポイントについても触れるため、ぜひ参考にしてください。

クロノグラフとは?

クロノグラフは、経過時間を計るための機構を備えた腕時計のことを指します。

クロノグラフは、ギリシャ語で「クロノス(時間)」と「グラフ(記する)」をつなげた造語で、現在では「時間を計測する」という意味で使われることが一般的です。馴染み深い呼び方をすれば、クロノグラフは「ストップウォッチ機能を備えた時計」と言えるでしょう。

クロノグラフが人気を集める理由は、デザイン性の高さにあります。クロノグラフは文字盤に針が多く、ボタンの数も多いことから「おしゃれ」「格好いい」と感じる方も少なくありません。

また、長い歴史があるクロノグラフは世界中の高級腕時計メーカーで展開されており、「高級感がある」というイメージを持たれている点も人気の理由として考えられます。

クロノグラフの使い方

クロノグラフの使い方は至ってシンプルで、タイム計測は、スタート、ストップ、リセットの3段階で行います。

通常のクロノグラフの場合、2時の位置についている操作ボタンが「スタート・ストップボタン」、4時の位置についている操作ボタンが「リセットボタン」です。ボタンの位置はモデルによって異なるため、実際に操作する場合は取扱説明書を確認しましょう。

クロノグラフの操作方法は、以下の通りです。

【クロノグラフの操作方法】

1 「スタート・ストップボタン」を押して計測スタート
2 「スタート・ストップボタン」を押して計測ストップ
3 「リセットボタン」を押して計測リセット

リセットボタンを押す前に、もう一度「スタート・ストップボタン」を押すと同じ位置から続けて計測をスタートできます。

また、リセットするときは必ずストップボタンを押してから行いましょう。計測をストップせずにリセットボタンを押すと、不具合や故障の原因になります。

クロノグラフの種類

クロノグラフは、風防ガラスの周囲を囲うベゼルにメーターがついているモデルがあります。メーターの種類によってクロノグラフの機能が大きく異なるため、以下ではクロノグラフに備えられたメーターの種類を3つ紹介します。

タキメーター

タキメーターとは、「速い」という意味を持つ「タキ(Tachy)」と、「計算尺」の意味を持つ「メーター(Meter)」が語源の走行時速や平均速度を計測できる機能です。

具体的には、1㎞の距離を自動車などで走行したときの平均時速を計測できるため、時間とシビアに争うレーシングウォッチやパイロットウォッチなどに搭載されている機能です。そのほかにも、宇宙飛行などで活用された歴史があります。

タキメーター機能は、現在の生活での実用性は高くありません。しかし、デザイン性の高さから人気を集めており、クロノグラフの中でも多くのモデルに採用されています。

テレメーター

テレメーターとは、「遠く」という意味を表す「テレ(Tele)」と、「計算尺」の意味を持つ「メーター(Meter)」が語源の距離を計測できる機能です。

テレメーターは、光と音の速度差を利用して距離を割り出します。そのため、テレメーターでできる距離計測は、「大きな音を発するもの」かつ「遠くから目視できるもの」と限定されます。具体的には、計測地点から光と音が確認できる花火からの距離や、雷の落雷地点までの距離を測ることが可能です。

現在では実用面が少ないテレメーターですが、用途が限定されたメーターが存在する理由は、元々は軍用時計として考案されたことにあります。例えば、軍事的な攻撃場面で着弾地点からの距離や、大砲などの発射距離を割り出すためにテレメーターが使用されていました。

現在のクロノグラフはタキメーターが主流のため、テレメーターが単体で採用されることはまれです。

パルスメーター

パルスメーターとは、「脈」という意味の「パルス(Pulse)」と、「計算尺」の意味を持つ「メーター(Meter)」が語源の脈拍数を数えるための機能のことです。パルスメーターはクロノグラフが開発される前から「ドクターズウォッチ」と呼ばれる時計に装備され、秒針を使って使用されていました。

クロノグラフでは、「15回」「30回」など、モデル毎に脈拍を数える基準が異なります。使用法は、脈拍を数え始める際にスタートボタンを押し、基準回数に達したときにストップボタンを押します。この際に、針の指した数字が1分間の脈拍数です。

クロノグラフを使うときに注意したいポイント

クロノグラフには、計測機能が備わっています。見た目は頑丈そうに見えますが、内部は非常に繊細です。

以下では、クロノグラフを使うときに注意したいポイントを3つに分けて解説します。クロノグラフを長く使い続けたい方はぜひ参考にしてください。

ストップウォッチ機能の多用

ストップウォッチ機能を多用すると、ゼンマイの持続時間が少なくなるだけではなく、内部のパーツが絶えず作動することによって衝撃に弱くなります。

クロノグラフの中心にある細い針は「クロノグラフ針」と言い、ストップウォッチ計測用の秒針です。時計用の秒針は別についていますが、見づらいためかストップウォッチの秒針を常に作動させている方も珍しくありません。ストップウォッチ機能を使い続けると、多くのモデルでは故障の原因となるため注意が必要です。

また、永久カレンダーやムーンフェイズなどの機能についても、頻繁に使用することで電池消費が激しくなったり、部品が故障したりする原因となります。余計な消耗を避けるためにも、クロノグラフの機能は必要なときにのみ使用しましょう。

落下などの衝撃

クロノグラフのような複雑な構造の時計は、シンプルな構造の時計に比べて衝撃や振動に弱い作りとなっています。

クロノグラフの内部構造は複雑で、パーツによっては入手が困難なケースも多くありません。そのため、故障をした際の修理が高額になることもあります。クロノグラフを使用する際は、強い衝撃や振動に注意しましょう。また、腕時計を衝撃から守るために、高い場所での保管は避け、専用のケースに収納して保管するなどの対策をしておくのもおすすめです。

定期的なメンテナンス

クロノグラフを長く使うためには、定期的なメンテナンスとしてオーバーホールを実施することが大切です。

オーバーホールとは、時計を分解し、洗浄、組立、注油、調整、実測、検品までを一連に実施する工程です。どのような時計でも、使用していると内部の部品の消耗や油の劣化・酸化が起きます。内部が劣化した状態を放置し続けると、時計の精度が狂い、最終的には動かなくなることもあります。腕時計の故障を防ぐためにも、定期的にオーバーホールを検討しましょう。

オーバーホールは、機械式腕時計は3~5年に1度、クォーツ腕時計は4年に1度の頻度が一般的です。ただし、オーバーホールのタイミングは腕時計の使用頻度や保存状態によって異なります。腕時計に異常が見られる場合は、早めに時計修理業者へ相談するのがおすすめです。

まとめ

クロノグラフは経過時間を測定する機能が備わった腕時計で、デザイン性の高さと高級腕時計メーカーが展開していることから高い人気を誇ります。クロノグラフにはタキメーターやテレメーター、パルスメーターと言った種類に分かれ、機能も種類によってさまざまです。

また、クロノグラフは内部が非常に繊細な作りになっているため、ストップウォッチ機能の多用や落下などの衝撃には十分に注意する必要があります。故障を防いで長く使い続けたい場合は、定期的なオーバーホールを検討しましょう。


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