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腕時計についた文字盤の汚れの落とし方は?汚れの原因や予防法も解説

2023.02.14
修理・対策
腕時計についた文字盤の汚れの落とし方は?汚れの原因や予防法も解説

腕時計の文字盤は、時計の顔と言えるものです。大切な時計ほど、文字盤を含めてきれいに使い続けたいという方は多いでしょう。しかし、長く使い続けるほど、日焼けやサビなどによる文字盤の劣化は避けられません。中には、文字盤が汚れていなくても内部の清掃・注油を行うオーバーホールが必要なケースもあります。

当記事では、腕時計の文字盤が汚れる原因や汚れから守る方法について詳しく解説しています。腕時計を長く大切に使いたい方、文字盤の汚れの落とし方を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

腕時計の文字盤に付いた汚れは自分で落とせる?

文字盤の汚れは、日焼けやサビ、ひび割れによる劣化の場合がほとんどです。汚れが付着しているように見えますが、自分で落とすのは容易ではありません。特にアンティーク時計は防水性能が低いものが多く、湿気や汗による影響を受けやすい傾向です。湿気によるサビつきが、軽い汚れに見えて放置しているケースもあるでしょう。

文字盤の汚れをそのままにしておくと、腕時計の劣化が進むおそれがあります。文字盤のメンテナンスでは、分解・部品の洗浄・組み立てなどを行うため、文字盤は専門技術がないと対応が難しい場所です。自力でのメンテナンスは、細かな部品をなくしてしまう、余計に傷つけてしまうといったリスクがあるため、おすすめできません。腕時計の文字盤が汚れていると気づいたときは、なるべく早く専門店に相談しましょう。

文字盤を交換できない場合は文字盤再生(リダン)が必要

時計修理業者で文字盤を交換するとき、廃版などで交換する文字盤がない場合があります。特に1970年代以前に作られたアンティーク時計の場合は部品が存在しないことが多く、修理業者の元に交換する文字盤自体がないことも少なくありません。

文字盤の交換ができないときは、リダンと呼ばれる文字盤再生を行います。リダンは、文字盤を修復・塗り直しする技術です。リダンの手順は、まず日焼けやサビによって劣化した文字盤の表面を削って剥がし、再塗装やデザインの焼き付けを行うことで文字盤をきれいな状態に戻します。

リダンを行うと、一般的には納品までに時間がかかります。劣化の状態にもよりますが、修理期間が1~3か月程度かかるケースも少なくありません。また、リダンは元の状態を完全に再現する技術ではないため、修復後の風合いが想像と異なる場合もあります。しかし、大切な時計の文字盤が読み取れないほど劣化しても、リダンをすればきれいな状態に復元できる可能性があります。

腕時計の文字盤が汚れる原因

腕時計の文字盤はガラスによって守られていますが、日常のさまざまな要因によって生じる汚れは完全に防げません。文字盤が汚れる主な原因は、湿気・ホコリ・日焼けなどさまざまで、大切に使用していても避けることは難しいでしょう。文字盤が汚れる原因を知り、できるだけ劣化を防ぐことができれば、腕時計を長持ちさせられます。

ここから紹介するのは、腕時計の文字盤が汚れる主な要因です。

日焼け

日焼けによって文字盤が変色すると、汚れているように見えます。日常的に使っている時計やアンティーク時計は、紫外線などの影響によって文字盤本来の色が褪せてしまいます。愛用しているものほど日に当たる機会が多く、劣化は避けられないでしょう。

日焼けによる文字盤の変色が気になる場合は、文字盤の交換・メンテナンスをおすすめします。

湿気

文字盤が汚れる原因の1つが湿気です。空気中に含まれる湿気が文字盤に影響し、サビや腐食、カビの原因になります。特に防水性の低いアンティーク時計は、湿気に弱い傾向です。防水機能が付いている時計であっても、年数が経つにつれて効果が薄れてくるため、湿気に注意しなければなりません。

なお、湿気でガラスの内側が曇り、結露のような状態になることがありますが、気温の低い日などに起こる一時的な現象なら過度に気にする必要はありません。しかし、結露が長時間消えないときは、パッキンが緩んでいたりガラスに傷がついていたりする場合があるため、劣化を進行させる危険性があります。

ホコリ

細かなホコリが隙間から侵入することで、文字盤が汚れることがあります。腕時計の内部は、緻密な構造になっているため、小さなホコリでも積み重なれば性能に影響が出ます。

特に、長年保管している腕時計は内部にホコリが入っている可能性が高いです。また、リューズを引いて時刻を調節する際や電池の交換時に、隙間からホコリが入ることがあります。目に見えるホコリは自分で取りたくなりますが、分解や組み立ての作業には専用工具が必要です。専門知識を持たないまま分解を行うと、組み立ての際にホコリが混入したり、誤って文字盤を傷つけてしまう恐れがあります。そのため、文字盤についたホコリを自力で掃除するのはおすすめできません。

塗料の剥がれ・劣化

文字盤の塗料は、剥がれたり劣化したりすると汚れに見えます。腕時計は暗い場所でも時間が読めるよう、夜光塗料と呼ばれる蓄光性の塗料が塗布されています。夜光塗料が劣化する原因は、紫外線などの影響による経年変化です。

文字盤が黒っぽく変色する、光らなくなるなどの夜光塗料の劣化が起きた時計は、専門店で塗料の塗り直しができます。

腕時計の文字盤を汚れから守る方法

腕時計の文字盤を汚れから守るには、風通しの良い暗所に保管するのが最適です。

腕時計の文字盤が汚れる原因は、ホコリや磁気、湿気などさまざまです。特に、高温多湿な場所や水場の近くで腕時計を保管することはおすすめできません。

また、マグネット磁石や、テレビやパソコンなど磁気を発生させる電化製品の近くに腕時計を保管していると、磁気を帯びて文字盤や内部に影響が出ます。ほかにも、床から高い場所は落下の恐れがあり、直射日光が当たる場所は文字盤が変色する可能性があります。

上記の点を踏まえ、できる限り湿気や乾燥、光を避けた場所で腕時計を保管すると、今まで以上に時計をきれいに保つことができるでしょう。また、より安全に腕時計を保管したい場合には専用ケースの使用をおすすめします。

文字盤の汚れ対策には定期的なオーバーホールを

文字盤の汚れを防ぐためには、オーバーホールを専門店に依頼するのがおすすめです。オーバーホールとは、腕時計を分解して内部の清掃・注油などを行い、組み立て直すメンテナンスのことです。

ここからは、オーバーホールが必要な症状について詳しく解説します。

オーバーホールが必要な症状

文字盤が汚れていなくても、以下のケースに該当する場合はオーバーホールを依頼しましょう。

・時間がずれる

腕時計は内部の部品を動かすために潤滑油が使われていますが、油切れが起こるとスムーズに動かず、時間がずれてしまいます。オーバーホールは、取扱う腕時計に合った種類・量の潤滑油を適切に注油し、時計の精度を向上させる技術です。

時間がずれるのは、内部の部品が破損・摩耗している、ホコリが混入している可能性もあります。オーバーホールによって時計内部のパーツを確認してもらい、交換が必要な部分が明らかになると、劣化が進む前に対処が可能です。

・ガラスが曇る

ガラスが曇る状態が続く場合、密閉性に問題が起きている可能性があります。長い時間曇ってしまうのは、ゴムパッキンの経年劣化やガラスが傷付いている場合がほとんどです。腕時計は湿気に弱いため、ガラス曇りを放置しているとサビの原因になります。オーバーホールを行うと劣化したパーツが分かり、ガラスが曇る原因を根本から解決できます。

まとめ

腕時計の文字盤は、日焼けや湿気、ホコリ、塗装の剥がれといったさまざまな要因によって劣化します。また、アンティーク時計の場合は文字盤交換ではなく、リダンを行うケースがあることも覚えておきましょう。

大切な時計を長く保ち続けるには、保管場所や磁気に気をつける必要があります。文字盤が汚れていない場合でも、頻繁に時間がずれたりガラスが曇る状態が続く場合は、専門店にオーバーホールを依頼することをおすすめします。


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