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時計の風防ガラスについた傷は修理できる?対処方法や注意点を解説

2023.01.19
修理・対策
時計の風防ガラスについた傷は修理できる?対処方法や注意点を解説

時計の文字盤を覆っているガラスに傷が付いたとき、どのように対処すればよいか分からない方も多いのではないでしょうか。文字盤を守っているガラスは「風防」とも呼ばれ、その種類は大きく3つに分かれます。

当記事では、腕時計の風防ガラスに傷が付いてしまった際の対処法や、業者に依頼する際の注意点などを詳しく解説します。

自分が使っている腕時計の風防ガラスの種類を知りたい方や、適切な修理方法が分からない方はぜひご覧ください。

時計の風防ガラスに傷がついたら早めの対処が大切

風防ガラスとは、時計の前面についているガラスの部品を指します。風防ガラスは、水や砂埃などの小さな侵入物や、落下などの衝撃から時計内部を守る大切な役割を果たしています。

腕時計はぶつけたり落下してしまったりする可能性が高く、風防ガラスに傷がつくケースも少なくありません。風防ガラスに傷がついたまま放置した場合、僅かなすき間から水や砂埃が侵入し、文字盤などを傷付ける恐れがあるため注意が必要です。

大切な時計を守るためにも、風防ガラスに傷がついてしまった場合は早めの対処をおすすめします。

時計の風防ガラスの種類

時計に使われている風防ガラスには、3つの種類があります。風防ガラスに傷がついてしまった場合、ガラスの種類によって対応方法が異なるので注意しましょう。

また、使われている風防ガラスの種類が判別ができない場合は、専門業者への相談をおすすめします。

以下では、時計に使用されている3つの風防ガラスについて解説します。

アクリルガラス

アクリルガラスは風防ガラスの中では最も軽く、加工のしやすさが特徴です。アクリルガラスの素材にはプラスチックや合成樹脂が使われており、別名「プラスチック風防」や「有機ガラス」とも呼ばれています。また、ドーム状のフォルムと、軽く叩いてみるとコツコツとした音が鳴ることから他のガラスと比べて見分けやすい傾向にあります。

硬さの度合いを示すモース硬度は10段階ある中で2となっており、他のガラス素材に比べると細かい傷がつきやすいデメリットがあります。また、経年劣化しやすく、紫外線を浴びることで色味が変化するので取り扱いには注意が必要です。

アクリルガラスは1940年代〜1960年代頃に幅広く使われていたものの、現在は主流ではなく、ヴィンテージ感を出す目的であえて使用されることもあります。

ミネラルガラス

ミネラルガラスは低コストで加工がしやすく、多くの時計に使用されている一般的なガラスです。別名「無機ガラス」とも呼ばれており、「ハードレックス」や「クリスタルガラス」など、ミネラルガラスに特殊なコーティングをしたものも多く流通しています。

加工がしやすいメリットのあるミネラルガラスですが、モース硬度は3〜6ほどで、ガラスが欠けやすいというデメリットもあります。

サファイアガラス

サファイアガラスは別名「サファイアクリスタル」とも呼ばれ、高級ブランド時計などで多く使用されているガラスです。素材にはルビーやサファイアの結晶である「コランダム」と言う鉱物が使用されており、厳密に言うとガラスではありません。また、モース硬度は9となっており、傷がつきにくい特徴があります。最近ではApple社の製品であるApple Watchにも使用されるなど、話題性のあるガラス素材です。

サファイアガラスは、小さな傷はつきにくいものの、大きな衝撃に弱いデメリットがあります。サファイアガラスを使用した時計を購入する際は、鉱物の性質上加工が難しく、ガラス代金が高いことも認識しておきましょう。

腕時計の風防ガラスに傷がついてしまったときの対処法

風防ガラスに傷がついてしまった腕時計を修理する場合、自分で対処する方法と業者に修理を依頼する方法があります。

ここでは、ガラスの種類別の対処方法と注意点について紹介します。風防ガラスの修理を検討している方や、時計を大切に使用したい方はぜひ参考にしてください。

【種類別】風防ガラスの傷の対処法

風防ガラスの傷の対処法は、ガラスの種類によって異なります。以下では、各ガラスの修理方法や注意したいポイントについて解説します。

・アクリルガラス

アクリルガラスの場合、浅い傷であれば自分で研磨して傷を消すことも可能です。自分で修理する際は、時計風防用研磨剤を使用し、研磨剤が時計内部に入らないように風防ガラスとケースのつなぎ目にセロハンテープを保護してから研磨しましょう。

しかし、深い傷や大きな傷がついた場合は自力で消すことが難しいため、修理業者への依頼をおすすめします。

・ミネラルガラス

ミネラルガラスに傷がついた場合、自力での修理は可能であるものの、非常に細かく手間のかかる難しい作業になるためおすすめできません。業者に修理を依頼し、研磨またはガラス交換をしてもらうほうが得策でしょう。

・サファイアガラス

サファイアガラスは、素材の性質上ガラスの硬度が高く加工しづらい特徴があり、基本的に研磨で傷を消すことは不可能です。交換費用がやや高い傾向にありますが、修理業者に依頼し、新しい風防ガラスに交換しましょう。

自分で風防ガラスを修理するときの注意点

自分で風防ガラスを修理する場合、いくつか注意点したいポイントがあります。

はじめに、風防ガラスは消耗品と考え、定期的に交換やメンテナンスを行う認識を持ちましょう。例えばアクリルガラスは経年劣化とともに皺が寄り、自力で修理すると形状が変化するリスクが発生しやすいので注意が必要です。また、研磨のしすぎは傷を悪化させ、耐久性に問題が生じるケースもあります。

高級腕時計やアンティーク時計の風防を修理する場合も、高度な技術を必要とします。大切な腕時計を長く使い続けるためにも、風防ガラスの修理は専門のプロに任せましょう。

時計の風防ガラスの傷を業者に依頼するときの注意点

風防ガラスの傷を業者や腕時計修理店に依頼する場合、気を付けておきたいポイントがいくつかあります。

ここでは、時計の風防ガラスの修理を業者に依頼するときの注意点について解説します。修理代の相場費用を知っておきたい方や、風防ガラスの修理依頼を検討している方はぜひ参考にしてください。

費用相場を理解する

風防ガラスの傷の修理は、使用しているガラスの種類によって費用が大きく異なります。

ここでは、風防ガラスを業者に依頼した場合にかかる修理費用について解説します。

・アクリルガラス

アクリルガラスの費用相場は研磨のみで3,000円程度、交換の場合は8,000〜10,000円程度と、風防ガラスの素材の中では比較的安価で修理が可能です。

・ミネラルガラス

ミネラルガラスの修理は研磨がなく風防交換になるため、10,000〜20,000円程度の費用がかかります。また、ガラスが破損している際は、業者がオーバーホールを実施する場合があります。オーバーホールの費用が追加でかかる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

・サファイアガラス

サファイアガラスは硬度が高く、素材に鉱石を使用していることもあり、15,000〜20,000円程度の費用がかかります。ミネラルガラスと同様に交換対応のみとなり、比較的高額な費用がかかる傾向にあります。

実績豊富な専門業者を選ぶ

風防ガラスに付いた傷の修理を業者に依頼する場合は、購入店やメーカー、または実績豊富な専門業者をおすすめします。修理実績が豊富な専門業者は、さまざまな状態の風防ガラスの修理を経験しているため、安心して任せられるメリットがあります。

また、風防ガラスの修理を依頼する場合は、業者のホームページをチェックし、過去にどのような対応実績や修理事例があるかを確認してから依頼するとよいでしょう。大切な時計を安心して預けられるよう、業者の情報を十分に集め、他と比較しながら信頼できる業者を選ぶことをおすすめします。

まとめ

時計の風防ガラスは「アクリルガラス」「ミネラルガラス」「サファイアガラス」の3種類に分けられ、それぞれに特徴があります。腕時計の風防ガラスに傷がついた場合は、ガラスの種類を確認した上で早めに対処しましょう。

また、自分で風防ガラスを修理する際は、形状変化や耐久性の低下などのリスクがある点にも注意が必要です。自身の腕時計を長く愛用し続けるためにも、風防ガラスに傷が付いた場合は専門業者へ相談することをおすすめします。


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