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自動巻き時計の保管方法|最適な保管場所や注意点も解説

2022.12.26
お手入れ・取扱
自動巻き時計の保管方法|最適な保管場所や注意点も解説

自動巻き時計を使用していて、適切な保管場所が分からない方も多いのではないでしょうか。腕時計は何気なく玄関先や机の上に置いてしまうこともありますが、保管状況によっては故障の原因にもなるため注意が必要です。

当記事では、自動巻き時計の基礎知識から、保管したいときに気を付けたいポイントまで詳しく解説します。保管するポイントを知っておけば、大切な時計が故障するリスクを避けられます。現在使っている時計を長く愛用したい方はぜひご覧ください。

自動巻き時計とは?

腕時計にはさまざまな種類があり、自動巻き時計もその1つです。腕時計は、「ムーブメント」によって機械式とクォーツ式の2種類に分けられます。ムーブメントとは、時計の針を動かすための駆動装置です。

当記事で紹介する自動巻き時計は、機械式の腕時計の一種に分類されます。ここでは、クォーツ式時計と、機械式手巻き時計、機械式自動巻き時計について解説します。

・クォーツ式時計

クォーツ式時計のクォーツとは、「水晶」という意味です。時計の内部に水晶を埋め込み、電流を流すと素早く振動するという水晶の性質を生かした仕組みを使って作られています。

クォーツ式時計は、埋め込まれた水晶の振動数が32,768回の振動を起こすようカットされ、安定して時を刻める高精度な時計です。また、クォーツ式時計は機械式時計と比べて部品が少なく、簡単な作りをしているため、低コストで購入できるのがメリットです。

・機械式手巻き時計

機械式手巻き時計とは、巻き上げられたぜんまいが元に戻ろうとしたときに生まれるエネルギーを動力にして、振り子の原理で一定の周期で時を刻む時計です。時計の側面にあるリューズを回し、ぜんまいを巻き上げる仕組みになっています。機械式手巻き時計は機械式自動巻き時計よりも歴史が古く、時計ファンから人気のアンティーク時計も機械式手巻き時計のものが多いです。

機械式手巻き時計は、自動巻き時計と比べて使用されているパーツが少なく、薄くて軽いのが特徴です。内部構造もシンプルなため、故障しにくく、修理のコストが安いメリットもあります。

・機械式自動巻き時計

機械式自動巻き腕時計は、時計を着用した動作によって、内蔵されたローターと呼ばれる金属部品が自然に回転し、自動的にぜんまいを巻き上げる時計です。自動巻き時計は、「オートマチック」と呼ばれます。

機械式腕時計は、現在では自動巻きタイプが主流となっており、高級ブランドからお手頃価格のブランドまで、さまざまな価格帯で販売されています。

自動巻き時計の特徴

自動巻き時計は、手間がかからず時間も止まりづらいのが魅力です。手巻きタイプの時計であれば手動でぜんまいを巻き上げますが、自動巻き時計はぜんまいを巻き上げる必要がありません。定期的に時計を身につけると、時間が止まりづらくなり、日にちや時刻合わせをする必要がなくなります。ただし、使用していくうちに時間は少しずつズレていくので、定期的なメンテナンスは必要です。

また、種類が豊富にあるのも自動巻き時計の魅力です。現在では、多くの人気ブランドからさまざまなデザインや機能を備えた自動巻き時計が販売されています。従来の自動巻きモデルにはローターが内部に入っているため、重く分厚い形状のものが主流でした。近年では、時計開発の技術の進歩によって薄型のモデルも発表され、人気を博しています。

自動巻き時計の保管場所は?

時計は精密機械であることから、何気なく保管場所に放置すると時計の寿命を短くし、劣化や故障の原因にもなります。特に時計をコレクションとして収納し、長年使用しない場合には故障してしまうこともあるので注意しましょう。

自動巻き腕時計の保管場所には、ワインディングマシーンが優れています。ワインディングマシーンとは、自動巻き時計をセットすることでスイングや回転を行い、ローターに振動を与えてぜんまいを巻く機械です。

時計を外している時間が長かったり、1日の稼働時間が短かったりすると、時計が止まる可能性があります。時計が一度止まると、手作業でリューズを使用してぜんまいを巻き上げなければならず、手間がかかります。また、時計の時刻やカレンダーの修正も必要です。自動巻き時計を複数所持している方や、時計を毎日使用しないという方には、ワインディングマシーンがおすすめです。

自動巻き時計を保管するときに気を付けたいポイント3つ

外出先から帰宅したら、腕時計を外して玄関や机に置くという人もいるでしょう。自動巻き時計を長持ちさせるためには、保管場所以外にも気を付けたいポイントがいくつかあります。

ここでは、時計を保管する際のポイントを3つ紹介します。時計の正しい保管方法を知ると、時計を長持ちさせることにもつながるのでぜひ参考にしてください。

時計の汚れは落としてから保管する

腕時計は、1日中装着していると汗や皮脂、ホコリが付着し、そのまま放置すると変色や臭い、カビの原因になります。時計に付着しているサビやカビは、肌のかゆみやかぶれを引き起こす恐れもあるため注意しましょう。

腕時計を着けた後は、時計の汚れを毎回落とすことが大切です。メンテナンスをする時間がとれない方は、クロスでの拭き掃除と、陰干しでの自然乾燥だけでも行いましょう。柔らかい乾いたクロスで拭いたり自然乾燥をしたりすると、腕時計に付着した水分を除去でき、サビやカビの防止につながります。

また、時計のベルトは、夏場に汗や雑菌が繁殖して嫌な臭いを発することがあります。革ベルトは定期的に交換が必要ですが、金属ベルトの場合には、重曹が効果的です。重曹は弱アルカリ性で、汗や皮脂などの酸性の汚れを中和させる働きがあります。重曹を目の細かい布に包み、ベルトと一緒にビニール袋などに入れて数日間置くと、嫌な臭いが軽減されます。

高温多湿の場所は避けて保管する

湿気や気温の変化が大きい場所に時計を保管するのは避けましょう。湿度の高い場所では、時計の内部機械が湿気でサビてしまう恐れがあります。

さらに、温度変化が大きい場所での保管は、時計の内部や文字盤に水滴が付着する原因です。時計内部の曇りは、放置すると内部の機械のサビや故障につながります。

電化製品を避けて保管する

機械式時計のムーブメントは金属製のものが多く、磁気の影響を受けやすいとされています。ムーブメントの中でも一番磁気の影響を受けるのは、「ひげぜんまい」と呼ばれる時計の心臓部分です。ひげぜんまいは、規則的に伸縮運動を繰り返し、正確な時刻を刻む役割があります。電子機器の近くで時計を保管すると、ひげぜんまいの周辺部品が磁気帯びを起こして規則的な伸縮運動が乱れ、時計の精度を狂わせます。

磁気帯びをした時計は正確な時間を刻めなくなるため、「磁気抜き」が必要です。磁気抜きとは、時計内部の機械が磁気帯びをした際に、磁気を取り除く方法です。磁気抜きには、磁気抜き器または脱磁器と呼ばれる機械を使用します。磁気抜き器は市販でも販売されており、機械と時計を接触させてスイッチを入れるだけで磁気抜きが可能です。

また、磁気を避けて保管する場合は磁気対策の機能が付いたワインディングマシーンが優れています。ただし、安価なものになると磁気対策されていないこともあるので注意が必要です。

大切にしてる時計を確実に磁気抜きしたい方は、時計メーカーや専門業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

自動巻き時計は手でぜんまいを巻く必要がなく、時間も止まりづらいのが魅力です。しかし、保管場所に気を付けなければ寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

時計はさまざまなパーツが組み合わさってできているため、湿気や電化製品の磁気によって故障することもあります。時計の故障は自分で対処できることもありますが、長く使いたい場合は専門のプロに任せるのがおすすめです。

定期的なメンテナンスをしながら、自動巻き時計を正しく保管しましょう。


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