時計は精密機械です。誤った使い方をしていまうと故障し、思いもよらない修理費用が掛かる事や修復できない事も。そういったアクシデントを防ぐために、この記事では、腕時計を使用する上でのやってはいけない事を紹介します。
この記事で分かる事
もし腕時計が故障した際の修理費用
「腕時計でやってはいけない使い方」を紹介する前に、今回紹介する誤った使い方をして故障した場合は、オーバーホール(分解清掃)が必要です。また、症状によって部品交換が伴い、部品交換代がオーバーホールに加算の費用が掛かります。定期的なメンテナンス以外の無駄な出費をかけず、大切な時計を維持するためにもぜひ参考にしてください。
関連情報:
腕時計でやってはいけない使い方
(磁気商品の近くに時計を置かない)
時計に磁石を近づけると時計は一時的に止まります。この磁石の磁気が時計内部に滞留してしまう事があり、滞留すると時計に誤作動(止まり・遅れ・進み)を起こします。この状態を「磁気帯び」と呼びます。特にスマートフォンにはスピーカーやマイクに強力な磁石を使用しており、時計とスマートフォンを一緒に持ち上げたり、同じバッグに入れて持ち歩いたりしてしまうと密着した際に「磁気帯び」の原因となってしまう事があります。大事な時計のためにも身近にある磁気を発生している物から極力5cm程度、遠ざけるよう心掛けてください。
(カレンダー操作禁止時間帯)
通常、カレンダー付き時計の多くは[カレンダー操作禁止時間帯]というものがあり、時計によって異なりますが大体20時~翌日4時にカレンダー早送りしてしまうと時計が壊れる可能性がございます。時計の操作はリューズ1段引き「カレンダー早送り」、2段引き「時間調整」が一般的です。カレンダー早送りをすると瞬時に「早送り車」が「カレンダーディスク」が回転させます。時間調整すると時間とともにゆっくり「日送り車」が「カレンダーディスク」を回転させます。「日送り車」が嚙み合っている状態で「早送り車」を回してしまうと「カレンダーディスク」の歯車の欠け・破損の原因です。カレンダー早送りする際は、2段引きで[カレンダー操作禁止時間帯]を避け、1段引きでカレンダーを早送りしてください。(カレンダー操作禁止時間帯がない最新キャリバーやGMTモデル、早送り機能のないヴィンテージ・アンティークモデルなどもございます)
(外部からの衝撃に注意)
時計は精密機器です。強くぶつけたり、落としてしまうとケースやガラスなどの破損、内部ムーブメントに重大な影響を与えてしまいます。また、機械式・クォーツ式を問わず耐衝撃機構のない時計の場合、仕事やスポーツの衝撃・振動(テニスやゴルフのインパクト・拍手など)によって、外見上に見えない不具合を及ぼす事がございます。お取り扱いに十分ご注意ください。
(腕時計の防水性)
一般的に3BAR、5BARが生活防水時計、10BARが生活強化防水時計、100m以上が防水時計(ダイバー時計)と言われております。※時計によって3BAR、3ATM、30M、150fなど表記が異なります。
・生活防水時計は、手洗いの際に跳ねる水や雨程度耐えられる防水性。生活強化防水時計は、日常的な洗い物や水仕事などに耐えられる防水性。
・防水時計は、時計を着けたまま泳ぐ事に耐えられる防水性。(ダイバー防水モデルにはメーカーごとの独自試験がございます)
※3BAR=生活防水時計は時計を水平状態で水位30Mに耐えられますが、時計を動かすと圧力が加わるため、時計を着けて30M潜水しても耐えられるという意味ではございません。また常温の真水での設計表記です。
※海水、汗は塩分が含まれているため、触れた場合は奇麗に洗い、よく乾かしてからご使用ください。サビの原因です。
※お風呂、シャワーなどでの高温多湿での使用はご遠慮ください。パッキンなどの劣化や変形による水入りの原因です。
※非防水時計については汗・雨などが染み込む程度の水気も防げないものとしてお取り扱いください。また、内部に湿気・ほこりが入りやすくなるためメンテナンスの周期も短くなります。
例外モデル
腕時計の中には磁気製品に強い耐磁時計、衝撃に強い時計、防水性が高い防水時計があります。例えば、IWCのパイロットウォッチは耐磁性能が高く、カシオのG=SHOCKは耐衝撃に強く、ロレックスのシードゥエラーディープシーは非常に高い防水性を誇っています。あくまで一例ですがこういった性能が備わった腕時計がございます。
関連情報:
まとめ
今回紹介した「腕時計の使い方でやってはいけない事4選」ですが、把握できていましたか?現行のモデルは昔のモデルより頑丈に設計されています。しかし、頑丈とはいえ精密機械なので多少の油断が故障につながりため、腕時計の説明書は見ない方も最低限注意が必要な取り扱い方を共有して大切な時計を破損してしまわないようにしてください。
また、弊社ではアンティーク時計も、全国から多く修理をご依頼いただきますが、現行のモデルより頑丈には設計されていませんので、特にデリケートな取り扱いが求められます。こういった形で腕時計に関する役立つ情報を日々ブログやSNSで発信していますのでいいね・フォローをよろしくお願いいたします。
関連情報: