本日は、オメガの分解清掃をしています。
時計のオーナー様は、時計を購入して使い始めてからメンテナンス(分解清掃)を一度もしたことがないとの事で、部品の摩耗が進み、内部の部品交換を含む分解清掃の作業しています。定期的にメンテナンスしていれば、部品は摩耗しないのかというと、そうではありませんが、摩耗をおさえる事は可能です。
そこで今回は時計内部の部品交換について話します。
メンテナンスしないと部品は摩耗するの?
機械式時計は、約80個の部品から多いもので1000個をこえるパーツで構成されています。その内部の部品と部品の間には油が塗られています。
油は、部品と部品の摩擦を軽減し、部品の動きを妨げないようにする、部品の摩耗をおさえるという役割です。メンテナンスしないと油が乾き、部品も摩耗が進むため、定期的にメンテナンス以外の内部部品の交換が必要になります。
一般的に機械式時計の定期的にメンテナンスをオススメしている周期が3~5年と言われているのはその理由です。実際に時計修理をご依頼いただくお客様の中には、定期的なメンテナンスとして、または壊れて修理ご依頼いただく場合があります。後者の方は、部品交換の可能性が高く、交換に伴い修理費用が高くなる傾向があるため、車検と一緒で定期的なメンテナンスをオススメいたします。
機械式時計の摩耗によって、よく交換になる部品4選
機械式時計の摩耗によって、よく交換になる部品は、ゼンマイ・切替車・2~4番車・リューズ関連部品(巻芯、オシドリ)です。理由としては、他の部品よりも常に動き続いている部品、外部からの力が加わりやすい部品、または両方が該当する部品である事が考えられます。
分かりやすい所でいうと、巻き上げ・時間の合わせ・日付の合わせる操作する際に、リューズに外部の力を加え頻繁に操作します。そこでリューズ関連部品にも油が使用しています。本来は油のおかげでスムーズに操作する事が可能ですが、油が切れている状態でリューズ操作すると、より強い負荷が掛かった状態で部品を動かすとなり、結果として部品の摩耗につながります。
リューズ以外も同じような理由です。
ゼンマイ 2~4番車 |
切替車 リューズ関連(巻芯、オシドリ) |
番外編|クオーツ式(電池式)時計のよく消耗する部品と説明
電池式時計は、メンテナンスの推奨時期が設けられいません。しかし、機械式と同じく、部品の可動部分には油が使用しています。そのため、長期使用していると油が切れ、結果的に部品の摩耗につながります。
機械式時計と違って、トルクが強くないため、大きな部品消耗にはつながりにくいです。そこで消耗部品である電池・パッキンの紹介と静電気や水分などで故障してしまう、電子部品の回路を紹介します。
電池 |
パッキン類 |
回路 |
まとめ
時計以外でも商品が壊れた場合、部品交換の案内をされると思います。その部品の症状以外に、その部品の役割など聞いたうえで納得した上で部品交換をしたいですよね。それは修理する側にとっても一緒です。
特に腕時計に関しては一般の方が腕時計の内部や修理風景を目にする機会はなかなか無いと思います。そこでこの記事を書きました。今から腕時計の修理を出そうという方、実際見積りをとっている方の参考になれば嬉しいです。