こちらのページでは時計、時計修理、時計部品の用語を把握するために一部紹介いたします。
ご活用ください。
ヘアライン仕上げ
外装仕上げ
更新日2022.04.19
金属の表面処理加工の一種で、単一方向に髪の毛ほどの細かい傷をつける加工法、およびその加工方法による仕上げのことです。鏡面仕上げより反射を抑え、高級感も残ります。もっとも一般的な仕上げとして、街中のも多く取り入れられています。また、研磨目に対して、同じ方向に傷が付いても目立ちにくく、腕時計だとベゼル、ベルトに取り入れられることが多くあります。
梨地仕上げ
外装仕上げ
更新日2022.04.19
梨地仕上げ(なしぢしあげ)とは、金属の表面に微細な凹凸をつけて、ざらざらとした質感に仕上げる表面処理方法を言います。鏡面仕上げとは真逆な性質を持ち、高級感は落ちマットな見た目にはなりますが、滑りにくく、汚れ、傷が目立ちにくい特徴があります。腕時計だとパイロットウォッチ、ダイバーウォッチなど特殊な環境で使用する実用時計の仕上げ取り入れられている事が多くあります。
鏡面仕上げ
外装仕上げ
更新日2022.04.19
鏡面研磨とは、素材を研磨することによって表面を鏡のように仕上げる加工方法です。鏡面研磨以外にも、ミラー仕上げや鏡面加工とも呼ばれます。とても美しく、高級感があり、実用時計、装飾時計の多くに取り入れられています。しかし、指紋、キズが目立つ上、滑りやすいので取り扱いに注意が必要です。
電解洗浄
その他修理
更新日2022.04.19
金・プラチナ表面に酸化超被膜が厚く生成すると、くもり変色してきます。銀では、空気中の硫化水素と反応し、硫化銀を生じ黒ずみします。
電解洗浄は、自由電子によってこの変色層を、アルカリ液中で破壊します。また、水が気体かするときの急激な圧力で、ゴミや固形物を取り除きます。
この化学作用の相乗効果によって貴金属表面の光沢がよみがえります。
バフ研磨
外装仕上げ
更新日2022.04.19
研磨は表面を削る作業です。研磨は手作業で布に研磨剤を塗って行う事も可能ですが、それでは時間が掛かるため、バフ研磨を用いて研磨作業します。バフはウレタンや綿、麻の布で出来ており、回転させながら表面に押し当て、表面の凹凸を滑らかにします。また金属の素材や形状によって、バフや研磨剤を使い分けます。時計の場合は仕上げの種類が複雑な上に細かいので、磨きたくない部分はマスキングして行ったり、ハンドグラインダー(ハンドポリッシャー)などで行う事もあります。
ザラツ研磨
外装仕上げ
更新日2022.04.19
ザラツ研磨は専用機械を用いた研磨技術です。具体的に、腕時計は面やエッジが多く、この美しい面やエッジを手作業で磨き上げる職人は、日本でも極わずかのベテラン職人に限られます。そのザラツ研磨は専用機械をザラツ社では開発し、製造していた事からザラツ研磨と呼びます。
サンドブラスト
外装仕上げ
更新日2022.04.20
サンドブラストとは、梨地仕上げする際、粒子を吹き付ける加工技術を指します。また、その吹き付ける機械をサンドブラスターと呼びます。用途としては主に路面の汚れ落とし、標識を消し、サビ落しのような削り落とす加工技術に使われますが、金属、ガラス、陶器の模様付けなどにも使われます。サンドブラストに使われる粒子(研磨砂)には種類があり、用途によって研磨砂の素材、形状、粒度を使い分けます。
ベンジン
修理用品
更新日2022.04.20
ベンジンは可燃性の高い、無色透明な液体です。揮発性が高く、衣類の落ちにくいシミ、油汚れを除去などにも使われ、時計ではオーバーホール(分解清掃)に時計内部部品を洗浄する溶剤として使用します。ベンジンはガソリンの一種のため、危険性が高いので、保管や取扱いに十分注意が必要です。
マスキング
外装仕上げ
更新日2022.04.20
マスキングとは研磨や塗装する際に、加工しない部分を保護する事を指します。時計は1つの時計に対して、1種類の仕上げではありません。ベルト、ケースのような部分にも2種類仕上げが施されている場合が多くあります。そこで仕上げの境界線をマスキングし、境界線をこえないようにマスキングテープで保護し、部分ごと研磨作業する事ができます。
グラインダー
外装仕上げ
更新日2022.04.20
グラインダーは仕上げをする際に金属やコンクリートの磨き、切断する際に使用する機械を指します。グラインダーの先端に用途に合ったディスクを設置し、回転するディスクに対象物を押し当てて使用します。グラインダーの中には卓上に設置する固定式や小型のハンドグラインダーもあります。特に小型のハンドグラインダーはDIYをする際にも活用でき、とても便利なのでホームセンターなど入手できます。
ケース
外装部品
更新日2022.04.21
時計の形を決めていると言っても過言ではない部分で、表示部・バンド部を除く,外装部品です。ケースは水分の侵入、磁気、衝撃を保護する役割以外、装飾の役割も補ってます。そのため、ケースの種類もラウンド、トノー、スクエア、オーバル、オクタゴンなどがあり、素材もステンレススチール、チタン、18K、18KWGなどがあります。使用しているとキズがつきますが、ウォッチドクターで研磨も承っています。
ベルト(バンド、ストラップ)
外装部品
更新日2022.04.21
ベルトは腕時計を腕につけるための部品で、金属製のステンレス、チタン、18K、18KWGや非金属製のレザー、ウレタンなどがあります。金属製の方が耐久性は高いので非金属製より高価になる傾向があります。非金属製は毎日使用していた場合で長くても1~2年程度で交換が必要です。実用時計は常に使う時計なので金属ベルト、ドレスウォッチはレザーベルト、ダイバーウォッチはウレタンベルトが備わっている事が高い傾向です。
ベゼル
外装部品
更新日2022.04.22
ベゼルとは時計のフェイスの周りにある部品です。前面にある目立つ外装部品のため、時計全体のデザイン性にも大きく関わる部分で装飾的な役割があります。その他にガラスの固定、ガラス保護する役割や計測などの付加機能が備わっているベゼルもあります。付加機能については文字盤に配置しきれない数字やメモリをベゼルに配置し、用途に合った計測ができます。(例:レーサー、ダイバー、飛行など時間計測機能、24時間計、2カ国の時間表示など)
リューズ(竜頭)
外装部品
更新日2022.04.22
リューズ(竜頭)は、主に腕時計の3時位置にあり、リューズを引くことで時間、日付の調整やゼンマイの巻上操作を担う外装部品です。リューズは頭の部分(つまみ部分)で、先端の細い部分は巻芯と呼びます。リューズには引き出しタイプ、容易に引かれないようにロック機能が備わった、ねじ込みタイプに分かれますが、防水性が高いダイバーウォッチはねじ込みタイプが採用されています。時計はリューズ、ボタンで全ての操作を補うので摩耗や巻芯の折れこみなどの故障が多い外装部品です。
裏蓋
外装部品
更新日2022.04.22
裏蓋は文字の通り、時計本体の裏側にあるふたを指します。裏蓋の素材は主に金属ですが機械の内部を見る事ができるガラス製の裏蓋も。基本的にはケースと同様に時計を保護する役割を持っています。裏蓋を開閉する際は裏蓋形状がこじ開け式、スクリュー式によって異なり、後者は専用の開け具が必要です。
電池
内装部品
更新日2022.04.22
電池は放電だけで,充電できない化学反応を利用した電源部品です。ご自分で腕時計の電池交換する際は、電池に記載している同じ番号(例:SR626、CR2016など)の電池を使用してください。中には、充電式(ソーラータイプ、自動巻き発電タイプ)の電池を使用している商品がありますが、故障の原因になるため、ご自分での電池交換はお控えください。
回路
内装部品
更新日2022.04.22
回路は、電池(クオーツ)式時計のモーター部(ステップモーター)を動かす内部部品です。時計内部の水晶に電圧を加えると振動します。その振動を回路で電気信号に変換し、変換した電気信号を発信、分周、駆動を制御すると安定した精度が保たれた電池式時計が時を刻む仕組みです。時計の内部に水が浸入した場合、電池切れのまま放置による電池液漏れは回路の故障などにつながる可能性があります。
コイル
内装部品
更新日2022.04.22
コイルとは電池(クオーツ)式時計の導線を管状に巻いた電子部品です。コイルの役割は、電池式時計の駆動部分に関わる部品で、回路部品から送られた電気信号から磁界の信号を作り、ステーター、ローター(永久磁石)、歯車、針へと伝え、時計は駆動します。電池式(クオーツ式)では、こういったステップモーターの動作原理を用いて駆動しているので、外部からの磁気の影響を受けると駆動の妨げになり、磁気帯びといった故障の原因につながります。
巻芯
内装部品
更新日2022.04.22
巻芯は、リューズ(竜頭)と内部をつなぐ内部部品です。役割は、リューズ操作で時刻やカレンダーの設定を変更、またはゼンマイの巻き上げを伝達する部品です。機械式の時計はゼンマイを巻き上げる際にリューズはよく触れる部分ですが、強く引っ張ると折れる原因です。細く、繊細な部品なので注意してください。
おしどり
内装部品
更新日2022.04.22
おしどりは、巻真を押し引きした時に巻真の軸方向の位置を決定する板状の部品です。リューズを一段引き日付合わせ、2段引き時間合わせの切り替えスイッチの役割を果たします。リューズを操作する時に強く引っ張るとおしどりの損傷につながる可能性があるので注意が必要です。
小鉄車
内装部品
更新日2022.05.06
小鉄車とは、時計の時刻を合わせる際に、リューズ操作から巻真、二番車、筒車へ伝い、修正が可能です。時計は、容易に時間が狂わないような構造になっています。それは、リューズを引かないでそのまま回しても小鉄車にはかみ合わず、時刻を修正する事ができず、2段引いた時に小鉄車にかみ合い、時刻が修正できるようになります。
ローター
内装部品
更新日2022.05.06
ローターとは、腕時計を駆動する重要な部品です。電池(クオーツ)式時計では、内部のモーターを動かす際に磁石を反発する力が応用され、この磁石をローターと呼びます。また、機械式時計は、手でゼンマイを巻いて(手巻き式)駆動しますが、自動巻きでは、内部に振り子が備えており、この振り子が回転する事で巻き上げします。この振り子をローターと呼びます。
日送り車
内装部品
更新日2022.05.06
日送り車とは、時間が経過した際に日車(カレンダー)を回転させる車です。正確には、表輪列の中心あたりにある筒車が12時間で1回転します。その筒車が2回転した際に、日送り中間車、日送り車へ伝達し、日車が1メモリ進みます。カレンダーのみ修正できる、早送り機能があるモデルは、早送り禁止時間帯に注意が必要です。
ゼンマイ
内装部品
更新日2022.05.23
ゼンマイとは機械式時計の動力源となる部品です。香箱の中に収納している金属部品で、巻き上げられたゼンマイのほどけるエネルギーによって、機械式時計が時を刻んでいます。手巻き式時計は、リューズを回すことでゼンマイが巻きあげられますが、自動巻き式時計は、ローターが回転する事でゼンマイが巻きあげられます。
切替車
内装部品
更新日2022.05.23
切替車とは、自動巻き上げ機構を持つ機械式時計に備わっている内部部品です。ローターが左右にどちらに回転しても、ローターの回転を一方向の回転として減速車に伝える切換機能を持つ車です。自動巻き時計を巻き上げる時に、強く降ると切替車・減速車に負荷がかかり、部品が故障する原因です。ゆっくり巻き上げることをおすすめいたします。
2番車
内装部品
更新日2022.05.23
2番車とは、機械式時計、電池式時計の分針が取り付けられている歯車です。また、先端軸には小さな筒カナ、筒車と時針が取り付けられます。2番車は、機械式時計の場合、動力源である香箱と直結している歯車であり、そこから3番車、4番車(秒針)の順に伝達し、時計の針が動きます(増速輪列)。しかし、電池式時計の場合、動力源である電池、ステップモーターから4番車(秒針)、3番車、2番車(分針)の順に伝達し、時計の針が動きます(減速輪列)。
3番車
内装部品
更新日2022.05.25
3番車とは、2番車(分針)と4番車(秒針)との中間の歯車です。2番車(分針)が1回転(60分)するためには、4番車(秒針)が60回転(3600秒)が必要です。3番車は、回転数が違う歯車を調整する役割をもっています。
4番車
内装部品
更新日2022.05.25
4番車とは、主に秒針が取付けられている歯車です。時計の内部は、歯数が違う歯車同士がかみ合って時計を動かしていますが、まとめて輪列と呼びます。機械式時計の輪列機構は、4番車が3番車とガンギ車の間に配置、電池式時計は、3番車とローターの間に配置しています。